第369話◇やるべき時
多くの場合、何かを人に頼む時というのは、「今して欲しい」と思って頼んでいる。
急ぎじゃない時は、その旨を一言添えるだろう。
であるならば、「頼まれた時」というのは、「やるべき時」なのである。
「いつやるの?…今でしょ」である。
「だって」「でも」「後で」などの雑音を立てるより、すぐに取り掛かる姿勢は見ていても気持ちいいものだ。
論語の「君子は言に訥にして、行いに敏ならんと欲す」である。
颯爽としてキビキビと物事に取り組めるというのは、能力であり財産である。
この習慣が身についていないと、なかなか人から取り立ててもらえない。
道場で言うところの、
「返事0.1秒、行動行動0.5 秒、結果は相手の予想を上回ること」である。
これは自分の財産を築いている。よく考えて下さい。
さて、「頼まれたらすぐやる」が身についたら、次のステージ。
それは、「言われる前に動け!」である。
周囲を観察して未来を予測し、「次にすべきことは何か」を自分の頭で判断していかなければならない。
道場なら、作務(掃除)→準備運動・ストレッチで筋トレ・基本… と流れがある。
次にすべきことは分かるはずであり、「言われてから動く」「何も言われないから何もしなくていい」等というのは、「恥ずかしいこと」であるという自覚を持たなければならない。
仕事でも同じ。
仕事は、主体的・創造的に自ら作り出すものであり、どうすれば周囲がもっと助かるか、喜ぶかを考えれば、何もしなくていいというのはあり得ない。
周囲を観察し未来を予測し、主体的・創造的に自分の頭で考えて自分から動けるようになれば、この段階もクリア。
ここまで来ると、機を捉えて波に乗る(時中)ことができるようになる。
やるべき時はいつか?
1.今やる。
2.言われる前にやる。
3.機を捉える(時中)。
よくよく考えてみて下さい。