🔴創造変化8.( 2)◇小人脱出(八観六験)
続き。
▪️六験
1.「喜之以験其守」(之を喜ばしてめて以て其の守を験(ため)す)
→人間は嬉しくなると羽目を外す。しかし、人間には守らねばならない分とか節がある。それを喜ばされたくらいで外してしまうかどうか。失意の時も同様。自身をしっかり制御できるかどうかが試される。
◇私が羽目を外しやすいときは、忍耐が報われた直後。「六然訓」にある「自処超然」を忘れては足元を掬われる。
2「楽之以験其僻」(之を楽しましめて以て其の僻を試す)
→喜びの本能に理性が伴うことを楽という。人間は楽しむと、どうしても僻する(偏る)。癖が現れると公正さを失って物事がうまくいかない。
楽しんでいる時に癖が現れるかどうかが試される。
◇度を超えて楽しめることが、自分の楽しみ方だと考えていた浅はかな時があった。が、自分の中の節度は外していない。場に応じる節度を忘れないこと。
三日三晩飲み続けられる機会と、1時間で切り上げなければならない機会、どちらも全うできること。
3.「怒之以験其節」(之を怒らしめて以て其の節を試す)
→人間はどんなに怒っても、締まるところは締まり抑えるところは抑えなければいけない。
人は怒ると感情的になりやすく、本音が出やすい。怒った時に、自制力が失われないかどうかが試される。
◇自制力が試されるのは、怒った時と酔っ払った時。怒っても相手を追い込んではいけないし、酔っても乱れ崩れてはいけない。
4.「懼之以験其持」(之を懼れしめて以て其の特(独)を試す)
→恐れおののくような状況に立った時、独立性の維持、信念の堅持ができるかどうかが試される。
◇恐怖やプレッシャーを楽しむことは得意だと思う。心も身体も震えるような緊迫感は好きだ。
自分を見限らなければ大丈夫。
5.「哀之以験其人」(之を哀しましめて以て其の人を験す)
→人間は哀しい(切なくて、いたたまれない)時にその人の全てが現れる。人が哀しみに暮れている時、その情を解するかどうか、その人の全てが試される。
◇相手の気持ちに寄り添うと泣きたくなる時がある。それが恥ずかしくて、敢えて寄り添わずに冷静さを保つ。そんなことは簡単。
しかし、そんな生き方は器量の無い男の処世術に過ぎないと思う。
相手の気持ちに寄り添うこと。自分の哀しさや弱さに向き合うこと。そこからどんなふうに自分が変わっていくか。
6.「苦之以験其志」(之を苦しめて以て其の志を験す)
→苦しいことにぶつかると、ついへこたれがちになる。志とは千辛万苦に耐えて自分の理想を追求してゆくことである。苦しみに耐えて理想を追求していく粘り強さを持っているか。
苦しみの中にいる時に、その人が志を失うかどうかという「意思の強弱」が試される。
◇「我に艱難辛苦を与え給え」「ライオンは子供を千丈の谷底へ突き落とす」そこでくたばるようなら、その程度の器量・志だったのだ。元気(気力・骨力)を失ってたまるか。