414話◇自分の山に登る


各々が自分の山に登る。


その山のとは、、、

「北大の医学部に合格する」

「今の俺の山は、35年の住宅ローンを嫁と一緒に払い切る事だ」

「世界一美味しい茶葉を作る」

「世界大会で優勝する」

「今65歳。68歳までにエベレスト登頂を果たす」

「今の研究でノーベル化学賞を取る」

「うちの会社の社長にまで登り詰める」

「シェイクスピアを超える劇を書く」

「ギターを極める」等々。


また、仲間と共に同じ山の頂きを目指すなら、当たり前だが、同じ方向に歩いているかどうかを確認する。



皆、自分の登る山がある。

向こうの山に向かって、「ヤッホー」「おーい」とは呼びかけるけど、「バカヤロー」や「ごめーん」とは言わない。

応援はするが、批評はしない。



人間の身体は、降りるより登る方が簡単に出来る。そういう風に人間の体はつくられている。

ということは、多分人間は上向き、前向きに進むようになってるのだ。


だから、自分の登る山を見つけたら、いつまでも麓(ふもと)でうろうろしていてはいけない。



そして、最も大切なことは、てっぺんを極めたら、ちゃんと降りること。

降りるより登る方が簡単なのだから、大人になったらより難しい「降りる」ということもできなくてはならない。


そもそも、人間はいつまでも同じ場所にいる動物ではないのだ。


もし、山のてっぺんから戻ってこなかったら、それは「遭難」になってしまう。



山の頂きに立てるかどうか、それは自分で決めることじゃない。人間は人事を尽くすだけ。


山は危険だって?

危険はあったりなかったりするのではない。危険は自分の一部だ。


全部ひっくるめて、できるかできないかは分からない。やってみるまで分からない。

だから、やるを選ぶ。

自分の山に挑む。


後のことは山や天候が教えてくれる。

自分の山に登る。そして降りる。

それだけ。

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