男と女◇寂しさからの誘惑
寂しい男たち…。
独立独歩の気概のない男、やせ我慢のきかない男、志や誠を持たない男は弱い。
寂しさを紛らわすことばかり考える。感覚的肉体的欲望を満たすことばかり考える。
彼らにとっては、寂しさや不安や暇な時間を埋めることが重要だ。自分と向き合うよりも、外へ外へ刺激を求める。
志や義や誠のない男たち。
常に誠よりも欲望に流される男たち…。
寂しい女たち…。
慈悲や操のない女は弱い。
そんな女の身体に群がる男たち。彼らの欲望を隠した、甘い策略に抗えない女達。
「美味しいもの食べに行こう」と言って男は女に近づき、「綺麗だよ」「一緒にいたい」と言って女に触れる。
弱い女は寂しい男に流される。
尊さなど望むべくもないが、世の中には外見が美しく内側は虚しい甘い誘惑が多い。
そして彼らは、簡単に人の掌の上で踊らされる。
金や物や地位などの欲望を満たすように誘うか、寂しさや不安を誤魔化してあげるか、恐怖や愛で優しく縛り付けてあげればいい。
しかし、それでは情けない。
自ら切り拓いていく強さと、和していく強さ、やせ我慢のきかない男は哀しいだけだ。
全てを包容する慈悲と、操と、育む強さを秘めていない女も哀しい。
寂しさからの誘惑か、自らの誠か。
一呼吸の間の、
己の選択。