東洋思想◇「学」とは〜呂氏春秋よりエール〜


「凡(おおよ)そ学は能(よ)く益(※)するに非ざるなり。天性を達するなり。

能く天の生ずる所を全くして之(これ)を貶(へん)することなき、是を善(よ)く学ぶという」


益(えき)する付け加える、増す


訳)学というものは、何か付け加えるというような手段的なものではない。もともと資質として備えているものを発達させるためのものである。

親が生んでくれた自分自身を全(まっと)うして、それを貶(おとし)めない、いい加減なことをしないことを、よく学ぶという。



「此(こ)れ之(これ)を学に得しなり。凡そ学は必ず業を進むるを務(つと)む。心すなわち営(まど※)うこと無し」


営(まど)う惑う、迷う


訳)学問というものは、自身に与えられている資質を伸ばして発揮していくことである。だから、実生活で実践すべく努力することになる。

努力を重ねていると「一心は万変に応じる」ようになり、「先が分からずにどうしていいか分からない」というように惑うことが無くなる。


教える方は、

「善く教える者は、徒を見ること己の如(ごと)く、己に反(かえ)りて以(もっ)て教える。教えの情を得るなり。

人に加える所は必ず己に行うべし。此(かく)のごとくなれば師徒、体を同じくす」


訳)よく教える者は、生徒(学ぶ人)を我が身となって教える。生徒を自分と同じに見て教える。そこに、教えの情(人間味)が入る。

人を教えようと思えば、まず自分が実行しなければならない。そうなって初めて先生と生徒が一体になる。



人の力、学の力、教の力は、人格の力となり、その力の大きさは計り知れない。



日々、学んでいるあなたへ、

古典を引用したエールです。

何度か読み返すと、先人達の情味も受け取れると思います。


2,200年以上前からの人達が、皆であなたを応援しています。


私も、いつも見守っています。