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380話◇技の連絡変化


変化とは、統一からの分化である。

従って、今までのものと全く連絡や関連や統一のない変化は、変化ではない。


それは断絶である。


断絶は連続を断ち切ったものであり、力は弱い。

私たちは、統一関連があって変わっていくという変化を取ることが大切。



変化とは造化である。

従って、変化がないと造化から遠ざかってしまう。固定化し執着するようになる。

固定化すると、融通や応用のきかない人間になってしまう。


残念ながら、そういう人間にはあまり魅力がない。


人間は、変化していくところに弾力性が生まれ、創造性が生まれる。


だから、社会人になって何かのプロになればなるほど、できるだけ余裕というものを意識的に作って、別の思想・技術・知識・世界などに触れていく心がけが必要である。


そうしないと人間が生きてこない。


仕事だけでなく、勉強も稽古も人間関係においても同じ。


様々な人間との付き合いが大切な理由もそこにある。

人が人を知らないというのは、お互いが生きてこないのだ。



「余裕と変化を持つことは非常に大切」という稽古での教えは、道着を脱いでもやっぱり大切である。

🔴創造変化4.◇造化と三才


0.東洋思想では、トラウマや過去に戻って「こんな辛いこと、悲しいことがあった」と過去をほじくり返すことはあまり勧めない。


戻る場所はそこではない。


孟子に言う「自反」。

反(かえ)る場所は、自分の心。

自らの理想精神であり、誠の心に反(かえ)るのである。自分の資質や能力、自分自身に返るのである。


自らの理想精神は「造化(創造変化)の働き」と結びついてくる。


1.そこで、東洋思想の根っこにある「造化」について。


造化とは創造変化の働きのことであり、それは万物を生成化育する働き、物を造っていく「働き」である。

だから、どの瞬間においても絶えず何かを生み出している、若しくは生み出そうとして力が含蓄されている状態である。


例えば、剣道でも柔道でも、修めた人の特徴の一つは、相手がいつ何処からどう来られても、それに自由自在に処していける、変化していけるという溌剌とした躍動を内に秘めている。そして泰然自若として静かにしているというように鍛えられていること。


このように、どんな場合にも何かを成し、または成そうとする含蓄的状態が「造化」の一側面であり、それを自己の中に含んでいることが理想である。



2.そして、東洋思想には、三才という考え方がある。

これは「造化」の形を象徴的に表すもので、「天・地・人」の三つを言う。


東洋思想において「理想」というものは、無限であり変化を含む。これを「天」と表現した。


理想を実現させたところは「現実」であり、それは無限を有限に固めたものである。変化から固定されたものとして現実化されたものである。それを、無限・変化の「天」に対して、有限・固定を具象するものとして「地」と表現した。


理想と現実を繋ぐもの、理想を現実にするもの、それは私達人間の働きである。従って「実現」という働きを「人」と表現した。


天・地・人とは、理想・現実・実現である。


この「理想」と、それを「実現」させる働き、実現させた後の「現実」、この三つが限りなく続いていくことが「造化」である。



◇「造化」という性質や働きは自らに備わっていて、それを「理想精神」や「志義」に基づいて様々に具現化していく。

常に自分自信(自反)から始まる。

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