第487話◇ひとりでは勝てない


ひとりでは勝てない。

個人技で勝てるほど、小さな勝負ばかりではない。

例えひとりで勝ったように見えても、見えないところで様々に連携や結束があるもの。

それは、周到な準備と戦う気構えと言ってもいい。


寒さに拍車をかけて恐縮だが、今年2月に韓国で開催された平昌オリンピックを思い出して欲しい。

例えば、小平選手や高木選手の活躍が際立ったスピードスケート。ふたりの選手が一緒に滑走するのはなぜか。いくら才能のある選手でもひとりで滑ると良い記録が出ないからだ。

ライバルがいて初めて、お互いに良い記録が出せる。

造化を促す陰陽相対原理から導かれる当然の帰結。


生きることも同じ。

「ひとりでも生きていく覚悟」は必要だ。

戦う覚悟をひとりで決めるのと同じように、「生きる」覚悟はひとりで決める。

しかし、ひとりで生きるのではない。皆で生きるのだ。

そうしなければ造化を体現しにくい。

もし、「陰陽相交って中となす」という創造変化の道理を外して、強く豊かになろうとするなら、道理をねじ伏せる大きな力が要る。

ひとりでその力を持ち続けることは、なかなかできるものではない。


ライバルの存在・切磋琢磨とはよく言ったもの。

お互いを高め合い、共に頑張る相棒(バディ)・パートナー・仲間がいてこそ戦える。

だから、個人のスキルや力より、戦いに臨むための全員の結束力や信頼関係、そして勢いがまず大切。


もちろん、

ひとりひとりが覚悟を決め、

ひとりひとりが立ち上がり、

ひとりひとりが戦い、

ひとりひとりが責任を背負う。


しかし、私達は孤独な戦いはさせない。

一致団結して全員の勝利を目指す。

羊の集団になるのではなく、狼の集団で戦いに臨む。



2018年の道場指針である「信頼/自立/責任」を振り返ってみてください。


今年も暮れてゆきます。

来年も宜しくお願い致します。

良いお年をお迎え下さい!

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