第413話◇義を通す
相手の方が立場も力も上。
そのような場合、相手の理屈で事を進められると、こちらには理不尽を押し付けられたとしか思えない場合もある。
そんな時にも、こちらの志義を明確にして、覚悟を決めて渡り合う。
こちらの道義を通さなければならない時もあるのだから。
「彼に一度会って頂きたく思います」
「ジジィの顔なんか見ても相手も面白くねぇだろ(会うに値しないと言っているのが分からねぇのか!)。適任者は俺の方で用意するから、そう彼に伝えておけよ」
「会ってもいないのに、それだけはご容赦下さい」
「何だと?お前、俺の判断に楯突くのか?お前は俺の敵か?」
「そのようなことにならぬよう、宜しくお願い申し上げます」
「…ふざけた奴だ。
不味い酒出したら許さんからな。
おい、一献付き合え。美味い酒がどういうものか教えといてやる」
相手に器量があってよかったです。笑