第448話◇アリバイ証明
アリバイ証明とは、犯罪現場への「不在」を直接証明するのではなく、「他在」を証明することである。
同一人が同時に異なった二ヶ所にいることはできないことから、結果として犯罪現場への「不在」の証明とされる。
そもそも、不明確なものに対して、不存在を「直接」証明することは非常に困難である。
「もしかしたら存在するかもしれない」という様々な可能性を0.0000001%も残さずに、「100%存在しない!」と、不明確なものを明確にすることは難しい。
雪男はいるのかいないのか?
カッパは?
ツチノコは?
…敷衍すると、不存在だけでなく、私たちの生活において不可能を証明することも、実はとても難しいことなのだ。
不明確なことに対して、「俺には無理だよ」「そんなことできないよ」と、浅はかに諦める態度はある。
しかし、それは自分で「やらない」と決めただけであって、可能性を自ら手離しただけである。
可能か不可能は、「やってみなければ分からない」のだ。
取り組み方によって、どんな道筋を辿るか予想できないものになり、結果は人智を超えていくこともある。自信と勇気と情熱を持って挑戦し続けていくと…、物事はどう転ぶか分からない。
「奇跡の大逆転!」
「不可能を可能にする男!」
「できないとは、臆病で怠け者の言葉だ」…よく言われるじゃないか。笑
不可能と証明できない物事を、勝手に「無理」と決めつけるほど、男として浅はかで恥ずかしいことはない。
それは臆病で怠惰な態度だからだ。
自力で道を切り開いて歩いて行くという、気迫も度胸も覚悟も情熱も感じられない。
「できない」を証明するのは、誰かに任せて。
確かに、他の人たちには無理だろう。
でも、「あなたがその気になったら、やってやれないことはない」。
だから、暑いの痒いの痛いの言ってんじゃね~よ 笑
最近じゃ、5歳の子供だって、私たち大人にそういう手本を示してくれと大声で要求してくる。
「大人のくせに、ボーっと生きてんじゃねーよ!」。