男と女◇英雄(ヒーロー)の器
ヒーローを目指す。
しかし、何事も陰陽の側面があり、ヒーローもその例外ではない。
カッコいいという「陽」の側面に憧れて英雄(ヒーロー)を目指したものの、その立場に纏わり付いてくる「陰」の側面、つまり、因果や業(ごう)のとんでもない大きさを背負いきれるものではない…という現実に愕然とする。
英雄(ヒーロー)の辛さに耐えられる器を持っている人は誰もいなかったという現実に引き戻されることも少なくない。
英雄とは、全ての思惑や責任を引き受けて、なお微笑みを絶やさず、言葉一つ一つに心を込めて話しができる人。
とんでもないプレッシャーの中にあっても、優雅に振る舞い、物事を進めていける人。
全ての物事と、全ての人の気持ちを背負って、それでもなお自然体でいられる人。
それでもなお、英雄(ヒーロー)を目指す男と女は、覚悟を決めて「逃げない」「忘れる」「楽しむ」努力を死ぬまで続けていくしかないんじゃないだろうか。
そうすれば、せめて大切な人にとっての英雄(ヒーロー)になれる…かもしれない。