世人余話◇笑顔の効用(1/2


初めて経営学を学んだ時、幸運にも私と相性のいい経営者と接することができた。

当時は、彼の優しさと強(したた)かさを、オモテの顔とウラの顔のギャップが物凄い人だと感じていた。


そんな彼が、人間関係について最も基本的なことは、「笑顔と誠実さと感謝だ」と当たり前に教えてくれた。

初対面の時、「君は何か武道をやっているね。そういう雰囲気や威圧感が出ている。まだ未熟なんだな。未熟はいいとして、そんな雰囲気では人が近寄り難い。そういうオーラは消した方がいい」と言われ、その後「人が近寄り難い雰囲気だけは一流だな」と、呆れられた。


彼からは、「一日100人を笑顔にしろ」「30 分以内にあのマンションの4Fのベランダからコーヒー持って外に手を振れ」「あの女を店を出るときまでに口説き落とせ」色々と鍛えてもらった。課題がクリアできないと、「笑顔が分かってない」と蹴飛ばされた。その時彼は笑顔だったかな?笑



「笑顔」について、今なら少し分かることがある。

結論として言えることは、笑顔が多い人こそ、人生を生きるに相応しいのではないか。ということだ。笑



<精神的・身体的側面における笑顔の効用

  1. 口角を上げるだけで、沈んだ気持ちが明るく前向きな気持ちになる。 
  2. 笑顔は、たとえ作り笑いであったとしても、血圧を下げて心拍数を落ち着かせてストレ スを解消し、リラックスし、プラス思考になる。
  3. 笑顔の多い人の寿命は、少ない人に比べて約 7 年長い。
  4. 微笑む、笑うという行為自体が気持ちを上向きにさせる。 (作り笑いでもいい)
  5. 笑うと脳内の血流量が増加し、脳梗塞や痴呆の予防や回復に役立つ。血流量の増加は脳の働きを活発にし、集中力を高め、記憶力をアップさせる。新しい情報が覚えやすくなる。
  6. 笑っているときは腹式呼吸になっており、それが活性酸素(病気や老化の原因 となるもの)を取り除く物質を発生させ、また胃腸の消化機能良くなり、新陳代謝も活発になる。  
  7. 笑顔は、顔のたるみを予防するエクササイズとなり、顔の引き締め効果もあり、シミ予防になり、表情を生き生きとさせ、若返り効果も期待できる。
  8. 大笑いすると、心拍数と血圧が上昇し血行が促進され、エンドルフィンが増えて酸素消費も増加する。ちょうど全身運動をしたようなストレス発散の効果もある。
  9. 笑うと免疫力が上がる。外敵(細菌やウイルスなどの病原体)から人体を守る免疫の要である NK(ナチュラル・キラー)細胞と B細胞が増える。これらは笑顔によって数が増え、働きが活性化する。笑いの度合いが大きくなるほど免疫力が高まる。
  10. 笑顔はアレルギー(アトピー)を改善させる。アレルギーの原因は体内の IgE 体による作用と言われるが、笑うことで IgE 抗体が減少する。 
  11. 笑うと糖尿病患者の血糖値が下がるという結果報告もある。他。



<社会的側面における笑顔の効用>については次回に。


もっと早くこんな風に笑顔で過ごしてきたらと後悔することは、ほぼ間違いない。笑


つづく。