第558話◇より大きな仕組み
クモが一生懸命に巣を張っている。
一つの世界だ。
だが、そのクモを捕らえようと、カマキリが狙っている。クモは気付いていない。これも一つの世界だ。
そして…、
クモがカマキリに喰われた…!
と思った後に残った世界は、「ニャ〜」という泣き声と、カマキリの羽の一部。
相変わらずクモはせっせと巣を張っていて、あのカマキリはどこにも見当たらない…。
そういうことなのだ。
全部把握していると思っていたとしても、常に自分の認識は、意識できないより大きな仕組みの一部でしかない。
確かに、「為せば成る 為さねば成らぬ 何事も…」で、無茶でも何でも、それを通す力があれば道理も引っ込む。力とは有無を言わさずに物事を率いるものだから。
ただ、世の中には仕組み(道理)がある。そこからくる傾向と対策から目を逸らして、「自分さえしっかりやっていれば大丈夫!」じゃねぇんだよなぁ。
できることは、
天命に安んじ、傾向と対策を忘れず、人事を尽くすこと。
そして、誰かのために祈り続けること。
その他にできること、あるかなぁ…。