2019年10月

553話◇奇跡


頑張ってる奴を見ると応援したくなる人間がいる。

応援されるともっと頑張れる人間がいる。


心配して、応援して、支える者。

己の全てを尽くして、やる者。


二つの役割が相交わって、限界を超えた力が出る。それを「陰陽相交って中となす」と言う。


支える者とやる者。その役割は固定されたものではない。

支える者がやる側に移り、やる者が支える側に移っていく。

陰陽は常に移り変わっていく。



奇跡は、

そういう前向きな陰陽の繋がりと、それぞれが限界を超えて成すべきことを為していく、その先にある。

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552話◇怖いょ


勝負の前には、緊張するのが当たり前。震えるのが当たり前。

動きの原点は震えである。恐怖から来る震えこそが、勝利への第一歩になる。


ただ、恐怖心は克服しなければならない。恐怖をどう克服するかでその者の価値が決まる。

「勝つ」と決断し、肚をくくって開き直る。


身体は恐怖を活かし、心は恐怖を克服する。道を自分で切り開いた者だけが変わっていける。


変わることを怖れて新たな挑戦を止めれば、幸福な思い出さえいつの間にか自分を縛り、殻の中で臆病に過ごすだけの魅力のない男に成り下がる。

輝いていた過去は今は忘れる。

挑戦者でなくなったらおしまいだ。



怖れることは恥ではない。

怖れを抱かぬ王者は、真の王者たり得ない。


恐怖を手放さず、

勝つ意志を強固にして、


勝負では、鬼になる。

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551話◇勝つか負けるか


ラグビーもバレーボールも、今ワールドカップ で盛り上がっている。


勝負で勝つか負けるかは、実はほんの些細な差でしかない。

しかし、その些細な差が及ぼす影響は大きい。


スポーツの試合というのは、勝負をかける瞬間を見極めその勝負所に己の全てをかけていくという点において、人生の縮図を見ているようだ。

勝負所を弁えている男とそうでない男が、同じチームメイトとして戦っているところも面白いw



真に勝負をかける瞬間というのは、人生においてそう何度もあるわけではない。

しかし、ほとんどの男は、その勝負所を見逃し、何となく人生を終えていく。


ま、それも一つの生き方。



勝負所の死闘という出来事は、男の人生においては一瞬の煌きでしかない。

しかし、その戦いを胸に刻んだ者たちにとっては、忘れられない一生の出来事になる。



己の全てをかけて成すべきことを為す、その中に真の勝負所がある。

そこは負けられない。

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550話◇ブチ切れる


いじめられて道場に来る男がいる。


いじめはどこにでもある。学校でも職場でも。

いじめに対するには、闘うか逃げるかそのままかのどれかだ。

逃げるしかないとなれば、転校したり転職したり引っ越したりすれば良い。


しかし、道場に来るからには、闘わなければならない。その覚悟はあるか。

ラグビーのタックルのように相手に全力でぶつかっていく根性と怒りを見せることが大切だ。勝ち負けではない。

どんな手段を使ってでも「お前をぶっ倒す!」という気概を見せなければならない。


もちろん、その業界のルールはある。

しかし、男はナメられたらおしまいだ。負け犬として生きていくしかない。

理不尽な扱いを受けたら、いつでもその相手を噛み殺すそういう武器(牙)を磨いておかなければならない。甘えられる場所に逃げてばかりじゃ、自尊心を失っていくばかりだ。



世の中は、理不尽な事ばかりで我慢を強いられる事も少なくない。特に教えを乞う側には。

己の志を実現するには、我慢と努力と勉強をとことん重ねていくしかない。


それでもいよいよ我慢の限界を超えたら、自分で己を殺してしまいそうになったら、道を外さずブチ切れろ!

道を外して無関係な者や弱者にあたったりしてはいけない。

怒りを向けるべき相手に、自分の命を賭けて怒りをぶちかますことが必要だ。



人間は感情の生き物である。その感情の代表が「喜怒哀楽」。

己を前に進めるには、心の奥底の奥底では、常に喜ぶ心と感謝を抱いていなければならない。だから「喜」が感情の最初だ。

その上で、理不尽な扱いには「怒り」を表現する気概が不可欠だ。怒りは常に絶望に勝る。右の頬を打たれたら左の頬もではなく、300倍にして返す気概も必要なのだ。

立ち上がり、思いを胸中に秘し、口を隠してむせぶ「哀」しさを持って進めば、相手への思いやりを忘れることもない。沢山の人と繋がれる。その先にこそ、自他共栄の「楽」しさが築かれる。


そのために、闘争本能を極限まで呼び覚ませ。


堂々と戦って、己の存在を周囲に認めさせろ。

艱難辛苦を乗り越えて、自分の存在を証明しろ。自分の本気を見せろ。

そんな自分を曝すことで、仲間が集まってくる。友ある者は敗残者にはならない!

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