第525話◇想像力
上司にどう思われているかと想像して悩む。
クライアントから何を言われるかと想像して、また悩む。
プロジェクトに問題が起こらないかとあれこれ想像して、またまた悩む。
悪い方へ転がる可能性のあるもの、つまり、全てのことについて悩むのは、想像力のなせるワザだ。
未来について余計な心配をしたくないなら、事実に基づいて物事を判断することだ。そこに曖昧な要素を持ち込む想像力は、全ての元凶だ。
…そんな風に言われる事もあるが、ちょっと極端な見解だ。
想像力より事実を重視すべき事もある。
そして、想像力を重視すべき事もある。
重要なのは、想像力という人間に与えられた力を、自らがコントロールする事ではないだろうか。
コントロールできなければ、想像力にコントロールされてしまう。
想像力を自分の優秀な下僕とするか、それとも、自分が想像力の奴隷となるか。
想像力の素晴らしさも恐ろしさも、帰する所は同じ。
それは、未来がどうなるかを描き出せるところにある。
心の真ん中に自分を置く。
そして、望む未来を描く。