第390話◇造化の体現と道
造化は、同時存在・同時作用として森羅万象の中に存在している。
そこに主観的な秩序を与える事で、私たちの掲げる「自他共栄」のための位育参賛に役立つと考え、その為に敢えて順番をつけて、今日は「造化の体現」(自他共栄・位育参賛)への道を示す。
1.造化の「道理」を学び、自らの意思を誠にして(自分に嘘をつかない)、心を造化へと一致させるよう自分で自分を導いていく。
→「東洋倫理概論」「小学」「大学」「論語」「孟子」「荀子」「老子」「荘子」「中庸」「孝経」「易経」「孫子」等。
2.「造化」(自他共栄・位育参賛)を、主体的に体現していくと自覚・覚悟する。
→「義利の弁」「生死の覚悟」「志義の確立」等。
3.志義を立て、機鋒(実行力)と器量(包容力)と節度(忍耐力・制御力・克己心)の三つを、より強く大きくしていくよう心身を修養鍛錬しながら、日常の態度・行動として顕していく。
5.自らの志義(目標、理想)に心と身体を率わせ、身近な所から、様々に挑戦して物事を成し遂げていく。
6.志義を成し遂げてきた事から生ずる利は堂々と受け取り、更に強く大きく自らを修養鍛錬し(機鋒・器量・克己)、志義を達していく「造化の権化」として、位育参賛・博施備物・自他共栄を状況に即して様々に具現化していく。
そうは言っても、私達はただ「目標を達成する」事をプログラムされたロボットではなく、またそのようなロボットになることでもない。
私達は、絶対自慊であり、同時に永久不慊として、理想を追い求めながら現実を変化させていく、創造変化の主体的存在である。
自分を、より強く大きく深く高くあたたかく在りたいと希求することができ、同時に、まだ弱く小さく軽薄で冷たく下劣でもあると自覚できる存在である。
強くて弱く、大きくて小さく、深くて浅く、偉大であり愚劣であり…、そのような愛すべき存在である。
そこに思い至るならば、
1.自分より偉大なものや尊きものへの敬意(感謝報恩)を忘れず、
自らを恥じることを忘れず、
2.志義(理想・目標)を掲げ、気力・骨力を充実させて、主体的創造的に、自分の可能性と自分達の未来を切り開き、
3.人に対しては敬虔であり、寛容であり、温かく、
そして油断しないこと
それが私達の道である。