2017年12月

第384話◇フォースと共に…


この一年の勉強会、大変お疲れ様でした。


力ない者は褒め、力ある者は叱り、私と同格以上の者は、千尋の谷に突き落として這い上がらせる…という主義でやってきました。


その中で「易経」「論語」「孟子」「大学」「小学」「中庸」「伝習録」「孫子」「臨済録」「無門関」「風姿花伝」「不動智神妙録」「百人一首」「酔古堂剣掃」「五輪書」…と、各人各様の枝葉を伸ばしてきました。


一年のまとめの時期、今日は改めて「根っこ」に戻ります。



東洋思想では、私たちの思考も行動も全ては「造化の働き(力)」が具現化したものであり、その力をどう扱うかは全て自らの意志と責任であると捉えます。


全て自らの意志と責任で、造化の力・働きを消極的破壊的に用いたり、積極的建設的に用いたりします。

消極的・積極的のどちらが良いか正しいか価値があるかではなく、機に応じ時に順って自分自身を発揮していくことです(時中)。



言い方を変えましょう。

スターウォーズのジェダイの騎士への修行ではありませんが、この一年の勉強会を通じて、「人はフォースと共にあること、フォースそのものであること、そしてフォースはあらゆる所に満ち満ちていること、結びついていること」が会得できたでしょうか。


フォースというのは、東洋思想で言うところの「造化の力、造化の働き」です。

これこそ、従順な僕(しもべ)であり、頼りになる相棒であり、また畏怖すべき主(あるじ)であり、自分自身であり世界であります。



思考もフォースの一部です。

「どうせ無理だよ…、私なんか…」と負け犬の遠吠えのような、自分を見限るような、周囲から同情を誘うような思考もフォースの使い方のひとつではあります。

ただ、せっかく物事に挑む機会、決断する機会が与えられているのに、それを醍醐味と捉えられずにビビってしまうことは、男として非常に恥ずかしい使い方であると理解できたでしょうか。


そして、変わるべき時に変わらなかったり、変えてはいけない時に安易に変えてしまうというのは、どちらも非常に情けないフォースの使い方だと分かったでしょうか。



自分の行動・結果は、無限のフォース(造化の力・働き)を具現化した自らの意思の体現です。


この一年に経験してきた様々な出来事が、私たちをより強くしなやかにしてきました。その拳に力を宿すように成長してきました。


そうして会得した力は、過去の自分から自由になって新たな自分を作り、それぞれの志や目標を成し遂げていくためにより良く使うためのものです。



2018年もまた新たに変化して、大切なものを守り、造化を様々に具現化していきましょう。



「May The Force Be With You.フォースと共にあらんことを」


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第383話◇時間は優しく


2017年が静かに終わる。


この一年、悔しいことも情けないことも沢山あったけど、

きっといつか、全部ただの思い出に変わる。


だから今は、時の流れのまま心静かに。

心素直に。



2018年になれば、…もっと先かもしれないけど、

いつの日か、楽しかったことだけを思い出して、笑顔のみんなを思い出す時が来る。


そんな風に、時間は優しく流れていく。



だから今は、時の流れに全てを任せて、心静かに。


全ての事がただの思い出に変わるまで。


全部が笑顔の思い出に変わるまで。




皆さま、今年も一年間ありがとうございました。

優しく和やかな年末年始をお過ごし下さい。


そしてまた来年、凄みの増した鬼としてお会いましょう。


第382話◇継続は力なり


極論してしまえば、

ナンパでも喧嘩でも、人の間で何かに挑戦し続けていると、いつの間にか勇気と実行力が養われる。


「挑む」という体力がいつの間にか身に備わる。


数回やっただけではまだまだ。その瞬間に集中して自分を没頭させる。

少なくとも人の10~100倍は行う。



ここまで来ると「継続は力なり」の意味を知る(体得)ことになる。

それが分かれば、そういう知識(言葉)を頭で理解するだけでは大した力にならないことも分かるはずだ。


「繰り返し繰り返し挑み続ける」ことで、大きな力になる。

だから「分かる」には時間もかかるね。



こういう知識(言葉)は、そのままでは大した力を持たないものだ。

目標に向かって、組合せたり変更したり…つまり、継続して活かしてこそ初めて力を持つようになる。

それまでは他のあらゆるものと同様、ただの材料でしかない。


たくさん本を読んだ、たくさん勉強した…だけではまだまだ不十分。

実践を積み重ね、学んだことを繰り返し繰り返し活かしてこそ力となってくる。



今年もそろそろ終わる。

2017年の反省は少しだけして、

来年の目標と、何度も何度も何度も繰り返し繰り返す継続した活動をこそ大切にしたい。



自らの目標を定め、「人が10回行ったら、我は100回でも1,000回でも行う」という気迫で物事に取り組む。

その過程の中で自分に育まれるものの大きさを、形作られるものを、ワクワクしながら楽しんでいきたい。


2018年をいかに生きるか。

まずはその志を立て、明確な目標を掲げて邁進し、そして皆で美味い飯食おうぜぃ!

第381話◇人脈を作るには


先日、「人脈が豊かな男になりたい」という相談があった。


10項目程度なら出てくるだろうか…。


1.「人格を養うこと」

→退屈な人ではなく魅力的な人であること。人物・経書・歴史に学び、勇敢にあらゆる喜怒哀楽・艱難辛苦・利害得失・栄枯盛衰の経験を味わい尽くす。


2.「明るく温かく大きな人間であること」

→暗いと多くの人を引き寄せない。


3.「聞き上手であること」

→他人に興味を示さなければ、コミュニケーションが成り立たない。


4.「責めるより許すことに重きをおき、相手の短所より長所を見て付き合うこと」

→人々を繋げるのは、その違いによってである。


5.「冠婚葬祭を大切にすること」

→喜び悲しみを分かち合うことが、信頼の礎となる。


6.「人の世話がみられること」

→幹事や便利屋など、人をまとめたり細かなことを嫌がらずに引き受けられること。


7.「行動力があること」

→積極的・建設的な姿勢が人を動かす。


8.「筆まめであること」

→御礼状や手紙は忘れずに。


9.「他者を益する情報に貪欲であること」

→自分に利益をもたらす情報に、人は集まる。


10.「志を立て、目標達成に邁進していること」

→目標を掲げて邁進する熱意に、人は集まる。

etc...



武道の技は人体を操作する。

であれば、武道の稽古をしている人たちというのは、人体操作のプロであり、人間に対するプロ集団と言ってもいい。


ならば、人間に対する問題を解決するプロ集団とも言える。


だから、技が使えるだけじゃ全く足りない。

技の会得を通じて、もっと深くもっと広大な世界へ自分を進めて行こう。


臆病・怠惰・無関心な態度を捨てて、溌剌と自己を発揮していくことが、やっぱり大切かもね。

380話◇技の連絡変化


変化とは、統一からの分化である。

従って、今までのものと全く連絡や関連や統一のない変化は、変化ではない。


それは断絶である。


断絶は連続を断ち切ったものであり、力は弱い。

私たちは、統一関連があって変わっていくという変化を取ることが大切。



変化とは造化である。

従って、変化がないと造化から遠ざかってしまう。固定化し執着するようになる。

固定化すると、融通や応用のきかない人間になってしまう。


残念ながら、そういう人間にはあまり魅力がない。


人間は、変化していくところに弾力性が生まれ、創造性が生まれる。


だから、社会人になって何かのプロになればなるほど、できるだけ余裕というものを意識的に作って、別の思想・技術・知識・世界などに触れていく心がけが必要である。


そうしないと人間が生きてこない。


仕事だけでなく、勉強も稽古も人間関係においても同じ。


様々な人間との付き合いが大切な理由もそこにある。

人が人を知らないというのは、お互いが生きてこないのだ。



「余裕と変化を持つことは非常に大切」という稽古での教えは、道着を脱いでもやっぱり大切である。

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