2017年11月

第371話◇受け身


まずは頭と腰を守る。


手をハの字について、顎を引いて自分のヘソを見るようにする。そのまま身体を丸くして静かに回転して受け身を取る。すぐに立ち上がり構え直す。


いくつかの受け身の形を通じて体得すべきことは、「受け身の形」ではない。

形を通じて、受け身の本質を体得する。


その結果、怪我をしないという体捌きが身につく。



受け身のできている人は、その本質を体得している。

これは言葉にはしない。何度も繰り返して様々に気付き、体得して下さい。


身体を丸くして、静かに柔らかくコケれば怪我はしない。

怪我しやすいのは、うるさい音を立ててコケる時だよ。笑



受け身の「形」を体得する。

しかし、それは「形」を覚えるためではなく、「形」に含まれる本質を体得するため。目に見えないものを体得するために、目に見えるもの(形)を、その道具として使う。


本質が体得できたら…、そこに「形」は無い。

形が無いから、どんな状況にも自在に応じられる。


伝わるだろうか?



370話◇胴上げ祭り

あなたの知らないところで、誰かがあなたのことを見ています。期待しています。祈っています。


あなたはいつも、誰かの期待の中、祈りの中で生きていることを忘れないで下さい。


そこで今日は、あなたの毎日の頑張りを祝して、胴上げします。



○○さんの頑張りを祝して~、胴上げ~!!」

「せぇーの、わーっしょい!わーっしょい!!わーっしょい!!!



ここで、胴上げの仕方とポイントをいくつか紹介します。年末、何か参考になればと思います。


・安全

頭や腰を打つような落下事故を絶対に起こさないこと。必ず足から降ろす。


・人数

胴上げを行う下の人の人数は最低10人。
人数が少ないと、タイミングが合わないと持ち上がらなかったり、変な方に飛ばされたり、落下事故の可能性もある。多すぎるくらいが丁度いい。

・場所
平らで安全な屋外で行う。

屋内では、すぐに天井(240270cm )にぶつかってしまう。

・胴上げを行う人たちの配置
1.
頭役
最も背の高い男性の役割。

胴上げされる人の頭と首を見てもらう。
絶対に頭から落とすことのないようにする。
また、自分の所に頭が来たらとにかく支える。
この役の人は胴上げで持ち上げることはしない。落ちてくる時、頭部の落下に抵抗を与えて頭が上になるようする。落ちてきた時は、両肩か首根っこを支える。

2.
胴役

ここに人を集める。持ち上げるのに力を使うところなので人数を多くする。

3.
足役
力の弱い人。力の強い人は遠慮した方がいい。足は胴より軽いので力任せに上げてしまうと、頭が下になってしまったり、宙返りさせてしまったりする。

・胴上げ回数と掛け声

回数は5回(何回行うにしろ、事前にはっきり決めておく)
掛け声は頭役の人がやる。

○○さんの頑張りを祝して~、胴上げ~!!」

「いくぞ、せぇーの!わーっしょい!わーっしょい!!わーっしょい!!!
最後の「わーっしょい!」のあとは、頭役が高めのところで支え、胴体役の人達が足が下になるように降ろす。「拍手👏」。

・胴上げされる方の心得
1.
貴金属(時計、スマホ、ネックレス、メガネ等)は全て外す。


2.まっすぐ背と足を伸ばして棒のようになる。背中を丸くすると、頭が下になりやすくなるし、持ち上げる面積が狭くなるので受け止め難い。

手は前に伸ばしておく(空の方へ)。
足や手をバタバタさせてはだめ。胴役や足役の顔に当たって怪我をさせる可能性がある。


3.軽い人を胴上げするときはズボンの腰辺りをつかんでおく。

その他

・きちんと皆の息を合わせる

・横投げ厳禁
・胴上げは酔ってからやるものではない。酒を飲む前に行う。

369話◇やるべき時


多くの場合、何かを人に頼む時というのは、「今して欲しい」と思って頼んでいる。

急ぎじゃない時は、その旨を一言添えるだろう。


であるならば、「頼まれた時」というのは、「やるべき時」なのである。

「いつやるの?今でしょ」である。


「だって」「でも」「後で」などの雑音を立てるより、すぐに取り掛かる姿勢は見ていても気持ちいいものだ。

論語の「君子は言に訥にして、行いに敏ならんと欲す」である。


颯爽としてキビキビと物事に取り組めるというのは、能力であり財産である。


この習慣が身についていないと、なかなか人から取り立ててもらえない。


道場で言うところの、

「返事0.1秒、行動行動0.5 秒、結果は相手の予想を上回ること」である。

これは自分の財産を築いている。よく考えて下さい。



さて、「頼まれたらすぐやる」が身についたら、次のステージ。


それは、「言われる前に動け!」である。

周囲を観察して未来を予測し、「次にすべきことは何か」を自分の頭で判断していかなければならない。


道場なら、作務(掃除)準備運動・ストレッチで筋トレ・基本 と流れがある。

次にすべきことは分かるはずであり、「言われてから動く」「何も言われないから何もしなくていい」等というのは、「恥ずかしいこと」であるという自覚を持たなければならない。


仕事でも同じ。

仕事は、主体的・創造的に自ら作り出すものであり、どうすれば周囲がもっと助かるか、喜ぶかを考えれば、何もしなくていいというのはあり得ない。


周囲を観察し未来を予測し、主体的・創造的に自分の頭で考えて自分から動けるようになれば、この段階もクリア。



ここまで来ると、機を捉えて波に乗る(時中)ことができるようになる。



やるべき時はいつか?

1.今やる。

2.言われる前にやる。

3.機を捉える(時中)。


よくよく考えてみて下さい。

368話◇根と花


論語や大学、易経などの四書五経の文字は、その魂を表したものであり、それは例えば「根」のようなもの。

根は、よく養わなければならない。

そして、安易に地表に出してはいけない。


自分を貫く義とは、例えば幹のようなもの。

幹は枝葉が伸びてくれば自然と目立たなくなる。


人を笑顔や元気にさせるものは、根や幹ではない。

根や幹に支えられた花や実である。

花や実とは、志を形にしたものたちである。


言葉にするのは、花や実のことでいい。

それらは、人を笑顔や元気にさせるものだから。


根や幹は安易に言葉にする必要はない。

ここぞという時だけでいい。


だからと言って、見えないもの(根や幹)を疎かにしていいわけでは断じてない。


見えるもの以上によくよく鍛錬し養わなければならない。

花や実の美しさは、根や幹の強さにかかっているのだから。


自分の根や幹は、強く大きく深く高く。

しかし、それをあまり語る必要はない。


語るべき、形にするべきは、花と実。

367話◇裏表


物事には、終始本末と陰陽裏表がある。


人が直接見ない「裏」を綺麗に整えると、「表」も自ずから美しくなっていく。


しかし、

直接見える「表」を整えることで、「裏」も自ずから整うとは限らない。


「裏」は直接見えないから、隠したり誤魔化したりしやすいからである。




ところで、食事後に洗うお皿にも、もちろん裏と表がある。


そこで、お皿は裏から洗う。


表の汚れを残したままにする人はいないだろうから、裏表という順番で洗えば、洗い残しなくお皿は綺麗になる。



「裏」から綺麗にすると心がければ、「表」に現れる物事は、自然と上手く回りやすいもの。


よくよく考えたいものです。

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