546話◇勝利という嵐


勝利すると、底無しの勝負地獄にはまってしまう。


そして、勝った奴はこれからあらゆる面でその人間性が試されることになる。

周囲の人たちは勝利者としてその男を見る。次も勝つことが、優れていることが義務付けられる。

挑戦者達からは虎視眈々と狙われながらも、期待に違わぬ結果を出して活躍していかなければならない。


勝利の重さを背負うことができるだろうか?


しかし、ひねくれたり、天邪鬼になったり、まして逃げたりしたら男ではない。


勝利の美酒は一晩だけ。

その琥珀色の酒の中に、栄光と挫折、恍惚と恐怖、至福と絶望、陰陽裏表が見えるようになる。

そして、また翌日から、より大きな嵐のような勝負人生が再スタートする。



プロでいるなら、力の続く限り漕ぐ手を止めてはならない。

その力と勇気は、毎日毎日毎日の鍛錬で培うしかない。


プロが仕事ができない理由はただ一つ。

鍛錬不足だ。

弛まぬ鍛錬だけが、プロをプロらしくする。

才能ではない。



おめでとう!

勝利に乾杯!

ようこそ嵐の大海原へ!^_^

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